活動報告
参議院質問動画(2019年11月~12月)
2020年03月09日
2019年臨時国会(10/4~12/9)で、政府にこんな質問しました。
◆経済産業委員会
11/14「グループ補助金 期間延長と手続き簡素化」
○ながえ孝子
愛媛県で、2018年の7月、西日本豪雨災害がありました。大きな被害が出て、一年以上たった今でも、中小零細企業の皆さん、自営業の皆さん、事業の復興はまだまだこれからだなといった感じです。その後全国各地で大きな災害が続いておりますので、もう終わったことということになるのを非常に心配されております。誰一人取り残さない復興のためにも、全ての事業者の復旧が完了するまで、グループ補助金の期間の延長ないしは自治体が支援事業の期間を延長するための財政支援をお願いしたい。
あわせて、手続、申請を本当にもっと簡単にしていただきたい。申請したかったけど、煩雑で、諦めざるを得なかったという声も聞きました。誰もが手が届く、使えるものにして頂きたいので、余裕のある申請期間と申請の簡便化をお願いします。
〇梶山弘志経済産業大臣
グループ補助金では、自らの責任ではない事情で期限内に交付決定を受けられない者が存在していたことは承知をしております。単純に延期することはできませんが、地域の復旧から取り残されることがないように支援を検討していきたい。手続は簡素に、そして迅速に、そして運用は柔軟に、誰一人取り残さないという方針の下に取り組んでまいりたい。
◆経済産業委員会
11/14 「消費増税と軽減税率について」
○ながえ孝子
無理な消費税の引き上げで、中小企業の皆さんが困っている声を聞いていただきたい、「どうにかしてやというぐらい売上げが落ち込んでいる。」「実感として、前回5%から8%に上がったときと比べて駆け込み需要もなかった、駆け込み需要もないほど市場は疲れている。」「今はまだちゃんと数字が出ていないんだけれども、これからがやばいと思っている。」こうした中小企業の皆さんのご心配、どのように把握していますか。
○梶山弘志経済産業大臣
ポイント還元を始め様々な景気が落ち込まないような手だてを政府としてしっかり取ってきたけれども、増税後は消費が落ち込む、また景気も落ち込むという懸念もあるわけですから、もしその兆候が見られるようであれば、しっかりとした経済対策を組んでまいりたい。
○ながえ孝子
軽減税率という複数の税率が初めて実施され、中小企業主の皆さんは「一律にしてくれた方がよかった。」「線引きが複雑。食料品は、持って帰ったら8%だけれども店内で食べたら10%、だけど、なぜか手の掛かる出前は8%。この合理的な理由がよく分からない、一律にしてくれた方がよかった。」という声があります。
食料品は軽減税率対象なので、一般のお客さんは、値段が変わらないと思っているけれど、輸送費など経費の税率が上がっています。いろんな経費が膨れ上がって、値段を上げたいんだけれども便乗値上げと言われそうで、なかなか値段が上げられない。一律にしてくれたら値段が上げられた。という声があります。
下請業者に増税分の価格転嫁をさせない、いわゆる買いたたきの問題もあります。納入業者の立場からはとても値上げは言い出しにくいということで、一律に上げてくれた方がよかった。このような、納入業者いじめ、下請いじめ、そういうことが起こらないような対処をどのようにされていますか。
○鎌田篤政府参考人
経済産業省では、下請転嫁Gメンを今年度より409名体制から474名体制に増員し、監視、取引の、強化をするとともに、年間4千件超の下請中小企業への直接訪問などにより取引上の課題の実態把握を行っているところ。また、全国48か所に設置している下請かけこみ寺におきまして、消費税の転嫁や下請法など取引に係る各種相談への対応、などを行っているところです。
さらに、不当な利益提供要請や買いたたきなど、下請法や消費税転嫁対策特別措置法における違反事例などがあった場合は、法律に基づいて厳正に対処し、取引適正化に向けた取組を粘り強く行っていきたい。
<軽減税率を入れたがために区分経理が>
○ながえ孝子
税率が複数になったので、仕入れに軽減税率対象のものが含まれると、税率ごとに分けた区分経理を行う必要があります。すごい負担です。中小企業の皆さんの軽減税率への反応や心配、どのようにお考えでしょうか。
○鎌田篤政府参考人
適用税率の確認などが新たな負担になっているといった声が一部では聞かれているところ。事業者の耳に声を傾けつつ、中小企業団体による経営指導員による個別訪問、相談窓口での対応、また、全国の商工会や商工会議所など全国約2400の場所に相談窓口を開いています。中小企業・小規模事業者の皆様が円滑に制度に対応できるよう、きめ細かく対応しております
○ながえ孝子
納税する事業者だけじゃなくて徴税側も大変です、愛媛県内だけで、11月、12月2か月でこの軽減税率の説明会というのを何と70回近く開いている。この軽減税率導入という施策は成功しているでしょうか。
○梶山弘志経済産業大臣
評価はまだ少し早いと思うけれども、税務当局は消費税が上がるときには必ず説明会をするものですし、全体でこの税制がしっかりと根付くような努力を全力でしてまいりたい。
○ながえ孝子
軽減税率は元々、生活支援ということでできたけれども、お金持ちがキャビアを買う時にも恩恵が行くような仕組みではなく、本当に支援が必要なところにきちっと給付という形で応援が届くようにするのが本当に効率のいい支援になる。さらに、軽減税率、今2%ですよね。軽減税率実施している国々では、やっぱり10%以上差があって初めて手間もコストも掛けて有り難みがあるというものなので、この先、また消費税がどんどん上がっていくのではないかなと心配しております。
◆経済産業委員会
11/26 「ITの農業の活用事例について」
○ながえ孝子
ITを取り入れている農家の皆さんもいらっしゃいます。その中で、糖度を上げるという結果を出したということですが、どういう仕組みで結果を出されたんでしょう。
○青山幹雄参考人
センサーをあちこち置いて、何年かやって、土の中の水分を減らして、実はこれが一番よく効くということが分かった。データをとって、逆にコストを減らしておいしいものを作るということができた。後から来る人はより少ないセンサーでうまくおいしいもの、ミカンを作れるということが日本で共有できると思います。
◆経済産業委員会
11/28 「中小企業のデジタル税制支援」
○ながえ孝子
デジタルトランスフォーメーション(ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる)の可能性を、大企業ばかりでなく、中小企業の皆さんも活用できるようになればいいと思いますが、平成30年の6月に創設されておりますので間もなく1年半、これまでにどれぐらいの企業が適用を受けたのか、実績を教えてください。
○西山圭太政府参考人
データの連携とか利活用によって生産性を向上させる取組を行った場合に特別償却あるいは税額控除等の措置を講じることのできる税制です。この認定件数は、本年、令和元年10月末現在で108件です。制度当初は件数としてはなかなか伸びなかったけれども、推移を見ますと、周知をされ、利用件数も増え、百件を超えたと評価をしております。
○ながえ孝子
その税制も2020年度まで、です。企業経営者の背中をどおんと押すような代わりの支援策を準備されていますか。
○西山圭太政府参考人
御指摘のこのコネクテッドインダストリーズ税制そのものの活用状況、措置の効果なども見極めながら、2020年度末以降、引き続き検討してまいりたい。
◆経済産業委員会
12/03 「中国の日本ブランドの商標登録」
○ながえ孝子
中国では日本の地名、県名が勝手に商標登録されており、私の地元の愛媛はちゃっかり登録されております。そもそも中国の商標法では、外国の地名、県又はそれ以上のクラスの行政区画の地名及び一般に知られた外国地名は商標とすることができないと決められているにもかかわらずであります。
愛媛では今治タオルが日本を代表するブランドだが、中国で実は平成28年に商標登録されていたことが、平成30年に判明しましたが、取消し審判請求、これ費用が掛かりますので、対抗措置を断念いたしました。
特許庁の委託事業で、ジェトロ北京事務所で、日本の都道府県名などに関する出願あるいは登録状況を年に4回ほど調査している、地域のブランドを守る為に、この頻度を少し上げて、2か月に1回程度、ジェトロからの情報提供を自治体に行っていただけないでしょうか。
○梶山弘志経済産業大臣
その調査は、従来、年に1回だったものを今は年に4回にしております。ただ、それが伝わるのが遅ければ意味もない。国内、各国への働きかけもしっかりとやっていかなければならないことであると認識をしております。
●経済産業委員会 「事業承継の 資金の問題 」
○ながえ孝子
後継者不足の問題というのはよく農林水産業で言われますけれども、中小企業においても同じです。大方は、息子、娘に継いでほしいが言い出せない。言い出して拒否されるのが怖いから、問題を先送りをしてしまいます。解決が難しい問題が横たわっているからです。
まず、資金の問題。法人の事業承継税制に続いて、個人事業主の事業承継についても相続税100%納税が猶予されるなど、この税制の拡充は歓迎すべきと中小企業の皆さんも受け止めておりますが、旧制度が適用されている場合は、新制度の税制を使うことが、移行することができません。旧の税制を使っている方も新しい税制を使えるようにしてくれないかという声があります。
○梶山弘志経済産業大臣
遡及できるかどうかの要望は日本商工会議所からもいただいています。令和2年度の税制改正要望を今行っているところで、しっかりと取り組んでいきたいと思っておりますし、この課題については十分に認識をしているところであります。
○ながえ孝子
親族以外の第三者に事業を承継する際の優遇措置は導入を見送りかと報じられてますが、大臣、実現の見通しの方はいかがでしょうか。
○梶山弘志経済産業大臣
これも来年度の税制で今議論中であります。第三者に譲るということは、いろんな制度上の課題があるということで、いろんな議論を続けているということであります。
●経済産業委員会 「事業承継の 個人保証の問題 」
○ながえ孝子
事業承継には、個人保証の問題があります。中小機構の認知度調査には、事業承継を検討する際に、延期あるいは断念の理由の1番に挙げられているのが、後継者に経営者保証を負わせたくないが56%。実際、調査に答えている企業の8割を超える企業が何らかの形で経営者保証を提供しており、これ事業承継のときには、先代からも後継者からも、両方から個人保証を取る二重取りが大きな障害、継承阻害要因となっております。
大臣は個人保証の慣行について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
○梶山弘志経済産業大臣
経営者保証の存在というのは、事業承継に際しまして後継者確保の大きな障害となっているのは認識をしている。円滑な事業承継を進めていくために、事業承継に焦点を当てた経営者保証ガイドラインの特則を策定し、先代経営者と後継者からの保証の二重取りを原則禁止。信用保証協会において、事業承継時に経営者保証を不要とする新たな信用保証制度を創設し、専門家による確認を受けた場合には保証料を大幅に減額をすること。などスキームを構築する。
○ながえ孝子
経営者保証の解除は、事業者側から言い出さないといけないんですが、実際は言い出せない。借りれなかったらもっと怖いことになるから。
言い出せるだけの経営状況にしておくということがすごく重要と思っております。事業承継に至るまでの体質改善が重要と思っていますし、それを強化する上でも事業承継の問題を考えるということが見直しのきっかけにもなると思っておりますので、あらゆる政策を通じてその機会づくりというのも進めて頂きたいと思っております。
●経済産業委員会 「商工中金のリスク」
〇ながえ孝子
個人保証の脱却パッケージというものの中に、商工中金が原則として経営者保証なしの融資を行うというものがあるが、商工中金は、大掛かりな不正融資問題がありまして、完全民営化の方向で結論を出すということになっていたかと思うが、今回こういうところで活用する。再発防止に向けて、大丈夫なんでしょうか。
○梶山弘志経済産業大臣
不祥事があったということで、新たな経営陣になったということであります。中小企業のリスクを取るような貸付け、しっかりやってほしいという話もあったと思います。我々も、政府系金融機関、商工中金を始めとするところと、まずは隗より始めよということで、そして民間の金融機関に行き渡るような努力をしてまいりたい
○ながえ孝子
監督省庁として是非責任を果たしていただきたいと思います。
◆外交防衛・農林水産・経済産業・連合審査会 11/28「低空飛行について」
〇ながえ孝子
私の地元 愛媛県で不安の声が上がっています。2019年10月下旬以降、愛媛県の山間部を中心に低空飛行が頻発しております。11月には、夜間飛行が五回も確認されております。この地域はオレンジルートと呼ばれる米軍機の飛行訓練ルートに当たっており、去年の暮れには、高知沖でアメリカの空中給油機と戦闘機が接触し、2機とも墜落する事故が起きております。住民の皆さんが不安がっていることをアメリカにお伝えいただいたんでしょうか。
○中村吉利 政府参考人
防衛省において、本件飛行が自衛隊機によるものではないということを確認をした上で、現在、米側に対し事実関係を確認しているところでございます。 この飛行に関する情報を米側から得られた際には、速やかに関係自治体に情報提供する考えでございます。なお、自治体の方々が不安を抱いているということは我々も重々承知をしているところでございます。飛行に関しましては、安全面に最大限配慮をし、周辺地域に与える影響を最小限にとどめるよう、これまでも随時米側に求めてきたところでございます。その旨は今後とも米側に伝えてまいりたいというように考えているところでございます。
●ながえ孝子
このままほっといていいんでしょうか。もう1か月ほったらかしなんですよ。11月だけでも5回、夜間飛行が行われている。とても不安ですよ。1か月以上、住民の皆さんの不安とか心配とか、それに応えていないということをどう考えているのかということを追及したいですね、大体、日本の空の主権はどうなっているんでしょうか!
◆外交防衛・農林水産・経済産業・連合審査会 「日米貿易協定 貿易額の試算」
〇ながえ孝子
日本はアメリカに譲るばかりで、国民の皆さんの不安は募っています。国民の皆さんがきちんとした判断をしようにも、ちゃんとした数字が出てこない。国会の議論を進めるにしても、要請した正しいデータとか数字が出てこない。この日米貿易協定で日本がアメリカに輸出する際の関税削減額、確定している、未確定のところを除いて幾らになるんでしょうか。
○澁谷和久 政府参考人
日米貿易協定では、自動車、自動車部品について更なる関税、交渉による関税撤廃がなされることが前提となっているため、これを基に関税支払減少額等の計算を行っているところでございます。具体的な撤廃時期などに係る今後の交渉に悪影響を与えかねないことから差し控えるということでございます。
〇ながえ孝子
普通は、確定しないものについてはいろんなパターンの試算を出すと思うんですよね。
ある新聞社とシンクタンクが、自動車関連の関税が撤廃できなかった場合、アメリカに納める関税削減額を独自に計算してみた、試算してみたら、およそ260億円という数字が出ております。政府が説明している2128億円の1割ほどに減ってしまうんですよね。だから、国民の皆さん、とても不安だと思います。ウイン・ウインだと言うけれども、本当にそうなのかと。TPPの時でも、影響試算というのは、競合する国産品は原則として安価な輸入品に置き換わる、つまり生産量が減る可能性を含めて試算は出されていたように思うんですね。ですから、こういう甘い試算を出されると、かえって国民の皆さんの心配や不安は払拭できないのではないかと思うんですが、江藤大臣、試算、やり直しませんか。
○江藤拓農林水産大臣
お答えから申し上げますと、やり直すつもりは正直ございません。これまで出した算出方式は、直近の生産額に単価を当てはめて、極めて機械的に出したものでございます。ながえ委員がおっしゃるように、これから補正予算の段階で、TPP等関連対策大綱に基づいた予算の編成がまだ出されていないじゃないか、これについてイレギュラーであるという御指摘は、これまでのやり方とは違うということについては率直に認めたいと思います。しかし、内閣として必ずやるということを決めておりますし、しっかりしたものだという御評価をいただけるようにやることが私の責務だというふうに考えております。
●ながえ孝子
まだ執行されていない、現実となっていないものの上に、農産品は自然相手の産業でありますので、それが効果を発揮するかどうかということもよく分からないところが多分にあります。そういったところを試算の中に含めてしまってそれしか出さないというのはやっぱりおかしいのではないか、誠実さに欠けるのではないかと思います
○江藤拓農林水産大臣
これまで積み重ねてまいりました関連対策費の1兆3千億円余りのものは現場で受け入れられ、そしてそれを活用していただき、そして成果も現場で上げていただいております。将来のステージングの変化にも対応できるような国内対策をしっかりやるのが私の責務だと思っております。
●ながえ孝子
現状把握と正しい将来予測があって初めてしっかりとした対策が立てられると思っています。是非、国民の皆さんの安心のためにもしっかりとした試算をやり直していただきたいとやはり思っていますし、いろんなデータをしっかりと出して、しっかりとした判断、議論ができるようにして頂きたい。